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3.長良川探訪

第2回 長良川探訪を開催しました

 平成20年12月16日(火)の午前9時00分から、長良川文化フォーラム主催「第2回長良川探訪 『岐阜市の水の一生 ~長良川から長良川へ~』」を開催しました。
 今回は、「私たち市民が普段から何気なく使っている『水』が、どれほど自然の恩恵によってもたらされているものなのか、また恩恵をもたらしてくれる自然を大切にするために、市民と行政はどんな仕組みを設けているのか」ということをテーマに、21世紀は水の時代といわれる世の中にあって、市民の皆さんに水の大切さについて考えてもらうための機会にしたいと、岐阜市上下水道事業部の協力をいただいてプログラムを企画しました。
 フォーラム主催の独自事業としては本年度2回目の取組みでした。第1回探訪は『紙の文化』をテーマに美濃市を訪ね、多くの参加とご好評をいただいてまいりました。
 今回は、12月中旬と寒い時期であったこともあり、総勢30名程度での取組みとなりました。より多くの皆さんに見ていただきたい内容でもありましたので、今後の課題にしていきたいと思います。
当日は、普通では見ることができない鏡岩水源地の内部視察などもあり、みんな興味深く見学しておられる姿が印象的でした。

1.鏡岩水源地見学
じゅうろくプラザからのバス乗車組と、鏡岩水源地現地集合組が合流した9時30分、現地の『水の資料館』から探訪は始まりました。
16.12.08_1.jpg 最初に、わが長良川文化フォーラムの柴田会長から挨拶を行い、続いて今回の企画に多大なご協力をいただいた岐阜市上下水道事業部の後藤部長をはじめ、上下水道施設課、関係施設の職員の皆さんより、岐阜市の水道事業のあらましや現況について説明を受けました。
 岐阜市の水は、名水百選にも数えられる長良川の清流によってささえられており、私たちは素晴らしい恵みを受けているのだとあらためて感じました。
 水道事業についての説明のあと、実際に水の供給源となっている鏡岩水源地の内部にある配水池を見学しました。
 配水地は、岐阜市の象徴・アイデンティティとも言うべき金華山の岩盤をくり抜いて、その内部に建設されています。岩盤に囲まれ地震にも強く、こうした配水池は全国でも類を見ない珍しいものだそうです。
16.12.08_2.jpg 岐阜市の水を支える大切な施設でもあり、普通は内部を見学させてもらえる機会というのはほとんど無いのですが、関係者のご協力により特別に見学させていただきました。
 配水池は、直径30m、高さ30mの円筒形になっており、20,000立方メートルの水を溜め込むことができるようになっています。これによって10万人を超える市民への水の供給源になっているそうです。16.12.08_3.jpg
内部は、配水池をぐるっと囲んだスロープを登っていきました。傾斜が少しきつくちょっとした山登りのようで、ご高齢の方にとってつらいのではないかと心配しましたが、大変皆さん御健脚で、どんどん登っていかれました。皆さん学ぶ意欲が旺盛であるとともに、どんどん健康な方が増えて活動に参加していただけているということに嬉しさを覚えました。
 一番上まで登って配水池を上から眺めました。洞窟内なので少し暗かったですが、その大きさは十分に感じ取ることができました。
 参加者の皆さんは、思い思いに見学し、また率直に疑問に思ったことを職員の方に質問したりしていました。




16.12.08_4.jpg
2.北部プラント・北西部プラント見学
 市民のもとへ水を供給しているところを見学した後、今度は使った水がどのように浄化され、また自然に還元されていくのかを追うため、下水道処理施設の見学を行いました。岐阜市には中部・北部・南部・北西部の4プラントがありますが、今回はその中で北部と北西部のプラントを見学しました。
16.12.08_5.jpg 北部プラントでは、施設に入ってすぐ、職員の方から下水道の仕組みについて講義を受けました。汚水を何重にもろ過する仕組みがあり、それを介してまた長良川へ還していること、また汚泥の焼却灰を使ったハイカラレンガをつくり、また肥料などへの転用について研究を重ねていることなど、環境を汚染しない取組みを進めていることがわかりました。
 実際に施設装置を見学すると、最初はやはり汚水というイメージだったものが、段々ときれいに浄化されていく様子がよくわかりました。
 北西部プラントでは、まだ建設されたばかりの最新施設でもあり、その処理の仕組みも新しい技術を使っているそうです。施設は地下につくられているのですが、全部コンクリートで覆われてしまっており、まったく汚いイメージはありませんでした。また、洪水などで水が浸かっても大丈夫な設計になっているそうです。 16.12.08_6.jpg ちなみに、施設の上には運動場があり、今年J2入りした我らがFC岐阜が練習に使っているとのことでしたが、見学したときには残念ながら練習風景は見られませんでした。









3.おわりに

今回の取組みを通じて、私たちが何気なく使っている水というものに、どれだけの自然の恩恵を受けているか、その自然を守るためにどれほどの労力が払われているのかについて学ぶことができたのではないかと思います。
 かつて学校に通っていたときに経験した社会見学を思い出して、あのときのような新鮮な気持ちで学びに向かうことができることは素晴らしいことだと思います。
 そういう思いを持って、自分たちの地域を大切にしようという市民の皆さんがひとりでも多く育ってくれることが、私たちの願いでもあります。

16.12.08_8.jpg
<集合写真>
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第1回 長良川探訪を開催しました

 平成20年11月29日(土)の午前9時00分から、長良川文化フォーラム主催平成20年度「第1回長良川探訪」を開催しました。
 今回は「うだつの町並みと紙の文化」をテーマに、「水が命」と言われる和紙づくりについて、"製造から流通まで"まさに長良川水系に支えられた伝統の製紙業と、その製紙業によって栄えた美濃市の文化にふれるという目的で企画されました。
 今年度最初の長良川探訪でしたが、朝から夕刻まで、紅葉狩り、紙すき体験、町並み探索、さらに今回の目玉として特別にお願いしての実演となった「にわか」の見学と、実に大変盛りだくさんの内容と相成りました。
 当日は、時間に追われながら多くの場所を巡るハードなスケジュールとなってしまい、参加者の皆様にはご迷惑もおかけしましたが、天気にも恵まれ、皆様からは「貴重な体験が出来た」という多くのお声を聞くことができ、スタッフ一同も安堵いたしました。

1.大矢田神社  ~紅葉狩り~
 朝の9時、岐阜市を出発したバスには途中関市からの参加者が合流し、総勢50名弱となった一行に対し、まず、長良川文化フォーラム会長柴田からご挨拶を申し上げました。

29.11.08_1.jpg 大矢田神社には10時過ぎに到着しました。前日までの冷たい雨の影響もあり、紅葉の状態が危ぶまれましたが、当日は皆様の心がけのおかげ(?)か、澄んだ空気の快晴となり、紅葉と青空のコントラストを充分に堪能することができました。紅葉のトンネルの中から透けて見える初冬の陽射しは、茜色と橙色が交じり合った幻想的な光景でした。
 大矢田神社では、国指定天然記念物であるヤマモミジの原生林だけでなく、岐阜県指定重要文化財の楼門、国指定重要文化財の本殿と拝殿があり、会長からの説明を受けながら散策しました。
さて、柴田会長のお勧めもあり、参加者の多くの方が、この後に行う手作り和紙に漉き込もうと、昨夜の雨に打たれて絨毯のように敷き詰められた落ち葉から、好みの紅葉を拾っていました。

2.和紙の里会館 ~紙すき体験~
 11時過ぎに美濃和紙の展示体験学習施設「美濃和紙の里会館」に到着しました。まず、館長から全体のご説明をいただきました。

29.11.08_2.jpg なお、今回は50人という大所帯でしたので、二つのグループに別れて、紙すき体験と館内見学を交互に行うことになりました。
 模型展示による和紙の製造工程にうなずく方、売店は美しい和紙製品を購入という方、また、展示室では2008公募第21回全国和紙画展の入選作が展示されており、すばらしい作品に見入っている方々も大勢おりました。
 なるほど、川晒し(かわさらし)や塵取り(ちりとり)といった制作工程も、豊富な水資源と類なき伝統技法によって成り立つものであり、柔らか味のある美濃和紙独特の風合いは、そこから育まれてきたものだということが分かります。
 さて、紙すき体験です。先程、大矢田神社で皆さんが拾われた紅葉はどうなったかと言うと...残念、乾燥ができていない葉っぱは、漉き込むことができないそうです。でもご安心ください、ちゃんと会館には漉き込むためによく乾燥された紅葉が用意されていました。

2.11.08_3.gif 実は、この時点でかなりの予定時間オーバー。午後からの「にわか実演」時間が変更できないため、皆さんを昼食会場へせかすような形になってしまいました(皆さん大変申し訳ございませんでした)。とは言え、会館スタッフのご協力もあり、出発までには、全員が、漉きあがった「世界でたった一つのマイ和紙」を携えて、なんとか昼食をとることができました。

3.うだつの町並み ~美濃市内散策~
 午後からは、うだつの町並みとして有名な美濃市美濃町地区の町並みを見学しました。江戸時代初期の城下町由来であるこの古い町並みは、国の重要伝統的建造物群保存地区でもあります。
 ここでも二つのグループに分かれて、それぞれのグループには、ボランティアのガイドさんについていただいて、ご説明を受けながらの散策となりました。
29.11.08_4.jpg 「うだつ」は屋根の両端に設けられた漆喰の壁で、本来防火を目的としたものでしたが、やがて富の象徴となっていきました。かつて上有知(こうずち)と呼ばれたこの地区は、歴史的にも長良川水系の水運の要となる地域でしたが、江戸の始めに開かれた長良川の川湊(上有知湊)によって、和紙を中心とした物流の拠点としてますます繁栄します。その結果、商人達が、うだつの中に豪華な意匠を競い合うことになったのです。
 美濃市資料館として公開されている「旧今井家住宅」には、「日本の音風景百選」にも選ばれた水琴窟もあり、当時の紙商人の豪華な生活や文化水準の高さがうかがわれます。今も見ることのできる当時の紙問屋の名簿には、現在の美濃市の市長さんのご先祖様のお名前もありました。
29.11.08_5.jpg なお、この上有知地区は明治時代に「美濃町」と改名したいと申し出るのですが、この際、国や県からの「一地域が美濃を名乗ることまかりならん」というお達しがありました。これを沈黙させたのが、当時隆盛を誇ったこの紙商人達の力だったということです。なんでも、美濃和紙は全国的にとても有名なブランドなのに、上有知の名前がいっこうに有名にならないのに業を煮やしたとか...
 美濃和紙の産業構造の特徴を形づくったのは、やはり長良川水系の水運でした。この「美濃町」の話も、「原料を様々な場所から確保し、完成した和紙を様々な場所に輸出する」という「問屋」の力が、いかに大きかったかということが伺えるエピソードです。

4.「にわか」見学
 今回の目玉企画「美濃にわか」の見学です。本来、春の美濃まつりの夜に、各町内の若衆が辻々で行うものですが、今回は、フォーラムから特別にお願いして、美濃町のポケットパークにて実演していただきました。
 スタッフを含めて、一同、実際に目にするのは初めてというものがほとんどで、辻の向こうからお囃子の音が近づいてくるところから、いやが上でも期待が膨らみます。
29.11.08_6.jpg 笛・カネ・太鼓を鳴らしながら、リヤカーに松の木と赤丸提灯を掲げて、そろいの半纏をまとった十数人の若衆が現れました。にわかの一行です。なにやら、お化粧をした男性なども見受けられます。
出し物は二つ、一つ目は、比較的若い(小中学生?)方々が演じる、最近の不況をネタにした内容でした。多分、若い彼らが普段は使っていないだろう「コテコテの美濃弁」が非常にユーモラスに響きます。なかなか凝った脚本で、何度も笑ってしまうのですが、巧みに時事ネタも盛り込まれていてみごとなものです。
 二つ目は、真打ちとおぼしき二十代の皆様です。さすが、最初の「東西ィ、トォォザァイ」の口上からしてビリビリと響きわたります。ステテコ姿や、カツラをかぶったオバサン姿で、こちらは食品偽装をネタにした掛け合いです。演技も見事で、大いに笑わせていただきました。オチは、まあ、内緒にしておきましょう。
29.11.08_7.jpg 実際のところ、これほど面白いとは(失礼!)思っていなかったのですが、たまたま通りがかった一般の観光客の人たちも大勢集まり、スタッフは交通整理と見学に身を裂かれる思いでした。
なお、今回、にわかの説明をしていただいたのは、実は美濃市の観光課の課長さんでした。急遽の出番と言うことで、本当にありがとうございました。



5.おわりに
 皆さん「にわか」の印象は強く残った様子で、帰りのバスの中では、会長自らも「コテコテの美濃弁」でガイドを行い、大いに盛り上がっていました。
 さて、先年、関市において刀匠の技にふれる機会がありましたが、今回は、産業という切り口から、それが町の文化を育んだ側面を意識することができました。長良川文化フォーラムでは、今後とも長良川にまつわる様々な側面を学んでいこうと思っています。ぜひ、長良川のすばらしい文化を広げていくためにも、あなたのアイデアやご体験などお寄せいただき、今後の活動に役立たせていただきたいと思います。
29.11.08_8.jpg
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