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第1回 長良川探訪を開催しました

 平成20年11月29日(土)の午前9時00分から、長良川文化フォーラム主催平成20年度「第1回長良川探訪」を開催しました。
 今回は「うだつの町並みと紙の文化」をテーマに、「水が命」と言われる和紙づくりについて、"製造から流通まで"まさに長良川水系に支えられた伝統の製紙業と、その製紙業によって栄えた美濃市の文化にふれるという目的で企画されました。
 今年度最初の長良川探訪でしたが、朝から夕刻まで、紅葉狩り、紙すき体験、町並み探索、さらに今回の目玉として特別にお願いしての実演となった「にわか」の見学と、実に大変盛りだくさんの内容と相成りました。
 当日は、時間に追われながら多くの場所を巡るハードなスケジュールとなってしまい、参加者の皆様にはご迷惑もおかけしましたが、天気にも恵まれ、皆様からは「貴重な体験が出来た」という多くのお声を聞くことができ、スタッフ一同も安堵いたしました。

1.大矢田神社  ~紅葉狩り~
 朝の9時、岐阜市を出発したバスには途中関市からの参加者が合流し、総勢50名弱となった一行に対し、まず、長良川文化フォーラム会長柴田からご挨拶を申し上げました。

29.11.08_1.jpg 大矢田神社には10時過ぎに到着しました。前日までの冷たい雨の影響もあり、紅葉の状態が危ぶまれましたが、当日は皆様の心がけのおかげ(?)か、澄んだ空気の快晴となり、紅葉と青空のコントラストを充分に堪能することができました。紅葉のトンネルの中から透けて見える初冬の陽射しは、茜色と橙色が交じり合った幻想的な光景でした。
 大矢田神社では、国指定天然記念物であるヤマモミジの原生林だけでなく、岐阜県指定重要文化財の楼門、国指定重要文化財の本殿と拝殿があり、会長からの説明を受けながら散策しました。
さて、柴田会長のお勧めもあり、参加者の多くの方が、この後に行う手作り和紙に漉き込もうと、昨夜の雨に打たれて絨毯のように敷き詰められた落ち葉から、好みの紅葉を拾っていました。

2.和紙の里会館 ~紙すき体験~
 11時過ぎに美濃和紙の展示体験学習施設「美濃和紙の里会館」に到着しました。まず、館長から全体のご説明をいただきました。

29.11.08_2.jpg なお、今回は50人という大所帯でしたので、二つのグループに別れて、紙すき体験と館内見学を交互に行うことになりました。
 模型展示による和紙の製造工程にうなずく方、売店は美しい和紙製品を購入という方、また、展示室では2008公募第21回全国和紙画展の入選作が展示されており、すばらしい作品に見入っている方々も大勢おりました。
 なるほど、川晒し(かわさらし)や塵取り(ちりとり)といった制作工程も、豊富な水資源と類なき伝統技法によって成り立つものであり、柔らか味のある美濃和紙独特の風合いは、そこから育まれてきたものだということが分かります。
 さて、紙すき体験です。先程、大矢田神社で皆さんが拾われた紅葉はどうなったかと言うと...残念、乾燥ができていない葉っぱは、漉き込むことができないそうです。でもご安心ください、ちゃんと会館には漉き込むためによく乾燥された紅葉が用意されていました。

2.11.08_3.gif 実は、この時点でかなりの予定時間オーバー。午後からの「にわか実演」時間が変更できないため、皆さんを昼食会場へせかすような形になってしまいました(皆さん大変申し訳ございませんでした)。とは言え、会館スタッフのご協力もあり、出発までには、全員が、漉きあがった「世界でたった一つのマイ和紙」を携えて、なんとか昼食をとることができました。

3.うだつの町並み ~美濃市内散策~
 午後からは、うだつの町並みとして有名な美濃市美濃町地区の町並みを見学しました。江戸時代初期の城下町由来であるこの古い町並みは、国の重要伝統的建造物群保存地区でもあります。
 ここでも二つのグループに分かれて、それぞれのグループには、ボランティアのガイドさんについていただいて、ご説明を受けながらの散策となりました。
29.11.08_4.jpg 「うだつ」は屋根の両端に設けられた漆喰の壁で、本来防火を目的としたものでしたが、やがて富の象徴となっていきました。かつて上有知(こうずち)と呼ばれたこの地区は、歴史的にも長良川水系の水運の要となる地域でしたが、江戸の始めに開かれた長良川の川湊(上有知湊)によって、和紙を中心とした物流の拠点としてますます繁栄します。その結果、商人達が、うだつの中に豪華な意匠を競い合うことになったのです。
 美濃市資料館として公開されている「旧今井家住宅」には、「日本の音風景百選」にも選ばれた水琴窟もあり、当時の紙商人の豪華な生活や文化水準の高さがうかがわれます。今も見ることのできる当時の紙問屋の名簿には、現在の美濃市の市長さんのご先祖様のお名前もありました。
29.11.08_5.jpg なお、この上有知地区は明治時代に「美濃町」と改名したいと申し出るのですが、この際、国や県からの「一地域が美濃を名乗ることまかりならん」というお達しがありました。これを沈黙させたのが、当時隆盛を誇ったこの紙商人達の力だったということです。なんでも、美濃和紙は全国的にとても有名なブランドなのに、上有知の名前がいっこうに有名にならないのに業を煮やしたとか...
 美濃和紙の産業構造の特徴を形づくったのは、やはり長良川水系の水運でした。この「美濃町」の話も、「原料を様々な場所から確保し、完成した和紙を様々な場所に輸出する」という「問屋」の力が、いかに大きかったかということが伺えるエピソードです。

4.「にわか」見学
 今回の目玉企画「美濃にわか」の見学です。本来、春の美濃まつりの夜に、各町内の若衆が辻々で行うものですが、今回は、フォーラムから特別にお願いして、美濃町のポケットパークにて実演していただきました。
 スタッフを含めて、一同、実際に目にするのは初めてというものがほとんどで、辻の向こうからお囃子の音が近づいてくるところから、いやが上でも期待が膨らみます。
29.11.08_6.jpg 笛・カネ・太鼓を鳴らしながら、リヤカーに松の木と赤丸提灯を掲げて、そろいの半纏をまとった十数人の若衆が現れました。にわかの一行です。なにやら、お化粧をした男性なども見受けられます。
出し物は二つ、一つ目は、比較的若い(小中学生?)方々が演じる、最近の不況をネタにした内容でした。多分、若い彼らが普段は使っていないだろう「コテコテの美濃弁」が非常にユーモラスに響きます。なかなか凝った脚本で、何度も笑ってしまうのですが、巧みに時事ネタも盛り込まれていてみごとなものです。
 二つ目は、真打ちとおぼしき二十代の皆様です。さすが、最初の「東西ィ、トォォザァイ」の口上からしてビリビリと響きわたります。ステテコ姿や、カツラをかぶったオバサン姿で、こちらは食品偽装をネタにした掛け合いです。演技も見事で、大いに笑わせていただきました。オチは、まあ、内緒にしておきましょう。
29.11.08_7.jpg 実際のところ、これほど面白いとは(失礼!)思っていなかったのですが、たまたま通りがかった一般の観光客の人たちも大勢集まり、スタッフは交通整理と見学に身を裂かれる思いでした。
なお、今回、にわかの説明をしていただいたのは、実は美濃市の観光課の課長さんでした。急遽の出番と言うことで、本当にありがとうございました。



5.おわりに
 皆さん「にわか」の印象は強く残った様子で、帰りのバスの中では、会長自らも「コテコテの美濃弁」でガイドを行い、大いに盛り上がっていました。
 さて、先年、関市において刀匠の技にふれる機会がありましたが、今回は、産業という切り口から、それが町の文化を育んだ側面を意識することができました。長良川文化フォーラムでは、今後とも長良川にまつわる様々な側面を学んでいこうと思っています。ぜひ、長良川のすばらしい文化を広げていくためにも、あなたのアイデアやご体験などお寄せいただき、今後の活動に役立たせていただきたいと思います。
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